Boost Consulting
EXECUTIVE INTERVIEW

経営陣インタビュー

なぜBoostコンサルティングを創業したのか。AI時代にエンジニアと何を作りたいのか。Boostコンサルティング CEO・堀と、Boostキャピタル代表・小澤の2人が、それぞれの視点から語ります。

堀 新一郎

堀 新一郎

Boostコンサルティング CEO
Shinichiro Hori
Boostコンサルティングを創業して1年を振り返っていかがですか?

あっという間でしたが、非常に濃密な1年でした。会社の立ち上げから、実際のお客様への価値提供まで、想定以上のスピードで進めることができたと感じています。

何よりも、この1年は私たち自身が「変化を楽しむ」ことの大切さを再認識した期間でした。創業当初は手探りな部分もありましたが、現在ではシステム開発だけでなく、提案書の作成やコンサルティングのコア業務において、AI(Claude CodeやCoworkなど)の活用が当たり前になっています。コンサルティングの現場では、クライアントの課題を解決するためのスピード感が強く求められますので、そこにテクノロジー、特にAIを大胆に取り入れることで、従来の枠にとらわれない柔軟なアプローチを実践してきました。

ベンチャーキャピタリストやコンサルタントとしての印象をお持ちの方が多いと思いますが、エンジニア・バックグラウンドがあるそうですね。

はい、フューチャーシステムコンサルティング(現フューチャーアーキテクト)で最初のキャリアをエンジニアとしてスタートさせました。

システム開発の現場に入り、プログラミングやシステム設計などの技術的な実務を経験しました。ここで培った「システムがどう動くか」「データをどう構造化するか」というITの基礎知識は、後のコンサルティング業務や、現在のAIを駆使するワークスタイルにおける「論理的思考」の土台になっています。

堀さんご自身の仕事はAIでどう変わりましたか?

正直に言うと、自分の仕事の進め方も2〜3週間おきに変わっています。それくらい、AIの進化のスピードは激しいですよね。

具体例から話しますと、共通で空いている時間を確認してオンラインミーティングまで設定できるカレンダー予約ツールや、投資先スタートアップの状況を俯瞰できるダッシュボードを使っているのですが、これは全部、私がゼロから作ったものです。私自身、今はエンジニアではありませんが、自分や社内のチームで十分に使えるレベルのものが作れてしまうということを実感しています。

似たようなSaaSはすでに世の中に存在すると思います。でも自分で作ると、「自分にとって本当に必要な機能」だけを組み込めるし、Google Meetのリンクだけで十分とか、カレンダーの色は青がいいとか、そういうこだわりをプロンプトで書き換えるだけで反映できます。日々の業務で「面倒だな」と感じるプロセスは、Claude CodeやReplitを使って次々と解決しています。こういった開発を始めると、時間が経つのを忘れてしまい没頭してしまいますよね。

Boostコンサルティングではどんなエンジニアと働きたいですか?入社を考えている方にメッセージをお願いします。

エンジニアに限らずではあるのですが「問いを立てる力」のある方にぜひ来ていただきたいです。

同じ生成AIを使っていても、人によって出てくるアウトプットは全然違います。なぜかというと、問いかける文脈の深さが違うからなんです。例えば、「マクドナルドとスターバックスの人気の理由を調べて」と依頼するのと、「両社が展開するアプリのデジタル会員プログラムや決済システムが、顧客のリピート率や店舗の回転率にどう影響しているかを、競合の動向も踏まえて比較して」と指示するのとでは、出てくるものが天と地ほど違う。質を左右するのは、その人の経験に基づいた問いかけかどうかです。

これはエンジニアリングでも全く同じだと思っていて、コードを書くエージェントとレビューするエージェントを分けたり、複数のAIをオーケストラのように指揮できる人ほど、結果として高い品質を出せる。何かしら実体験で修羅場をくぐったり、達成感を味わったり、ものづくりで悩んだ経験を持っていて、深い問いをたてられる方ほど、AIでレベルの高い成果に繋げられる好循環が実現できるはずです。

もう1つ、お伝えしたいのは、Boostコンサルティングは「失うものがない立場」だということです。昨日まで1億円で受注していたシステム開発を、今日からAIで数千万円で受けますと言ったら、既存の事業に影響が大きすぎて、普通の開発会社にはできません。これはイノベーションのジレンマで、業界全体に共通する構造的な問題です。私たちはその構造に縛られていないので、思い切って踏み込めます。この「ゼロから新しい開発の在り方を作る」ことに面白さを感じる方には、本当に楽しい時代だと思います。

技術力をAIで増幅させて、お客さまに「これはすごい」と腰を抜かしてもらう瞬間を一緒に作っていきたい方を、お待ちしています。

小澤 隆生

小澤 隆生

Boostキャピタル 代表取締役
Takao Ozawa
なぜBoostコンサルティングを創業したのですか?

大きく分けて、2つの理由があります。

一つは、「日本の大企業が持っているポテンシャルを、AIの力で解放したい」という純粋な思いです。私がこれまで様々な企業を見てきて感じるのは、日本の大企業は潤沢な資金、長年培ってきた顧客基盤、そして膨大なデータという、本当に素晴らしいアセットを持っているということです。ただ、生成AIのような新しい技術の波を、事業の「ど真ん中」にどう組み込んでいけばいいか、そのノウハウやスピード感で悩まれているケースは非常に多い。だからこそ、技術力と大企業のアセットをうまく掛け合わせることができれば、一企業にとどまらず、社会全体に大きなインパクトを出せると確信しています。

もう一つの理由は、2024年に創業したベンチャーキャピタル(Boostキャピタル)の投資先とのシナジーを生み出すためです。我々は投資家として資金を出すだけでなく、自分たち自身も根っこが事業家なので、「自らの手で事業を育てる」という実感を持ち続けたいという思いがありました。

システム開発やコンサルティングというと、従来はどうしても人がたくさん動く労働集約的なビジネスになりがちでした。しかし今の時代、生成AIを開発プロセスにしっかり組み込めば、全く新しい効率とスピードを持った組織が作れるはずです。単に外から綺麗な計画を描いてアドバイスするのではなく、我々自身がテクノロジーを使いこなし、お客様や投資先・買収先と一緒に手を動かして事業を伸ばしていくパートナーでありたいと思っています。

楽天イーグルスやPayPayの立ち上げのエピソードが知られていますが、エンジニアとはどのように仕事をしてきたのですか?

元々インターネットの波に乗ろうと思って、「エンジニアになるんだ」と意気込んで1995年にCSK(現SCSK)に入社しました。ところが、研修後に配属されたのはまさかの「営業」だったんですね。

最初は焦りましたが、「自分で作れないなら、作れる仲間を集めて一緒にやるしかない」と腹をくくりました。それで、入社式の日に同期たちに向けて「将来会社を作るから一緒にやろう」と声をかけて、エンジニアの卵たちを集めたんです。

そこからは、就業前や仕事終わりに集まって勉強会を開き、みんなで試行錯誤しながら一つのサービスを作っていきました。それが結果的に、後に楽天に買収していただくことになる「ビズシーク」という会社の原点になりました。

楽天を退職された後の起業でも、エンジニアとの強いタッグがありましたね。

そうですね。楽天を辞めて個人でエンジェル投資をしていた時期に、「やっぱり自分でもう一度、ゼロから事業を作りたいな」と思ったんです。

その時に一緒に起業したのが、当時グリーに入社したばかりだった柄沢聡太郎(後にメルカリCTOなどを歴任、現Boostコンサルティング テクニカルフェロー)と、彼の優秀なエンジニア仲間たちでした。これが2011年に立ち上げた「クロコス」という会社です。

当時はFacebookをはじめとする「ソーシャル」の波が確実に来ていました。私は相変わらずコードが書けませんから、この新しい波を具体的なプロダクトに落とし込むには、彼らのような確かな技術力を持った存在がどうしても不可欠だったんです。

そこでは、小澤さんは具体的にどのような役割を担っていたのですか?

私がやっていたのは、「ビジネスとしてどこを狙えば勝てるか(センターピン)」を定義して、みんなが開発に集中できる環境を整えることだけです。

例えば、「これからはソーシャル時代の企業向けマーケティングツールが必要になる」という方向性だけを決める。どうやって作るか、どんな技術を使うかという「How」の部分は、プロである彼らに完全に任せていました。

結果的に、彼らは私の想像を超えるスピードで素晴らしいプロダクトを作ってくれて、クロコスは創業からわずか1年半でヤフーにグループ入りすることになりました。

自分一人ですべてをこなせる天才である必要はないんです。時代の波を捉えて、自分にない技術を持った優秀な仲間を集めることができれば、事業は形になる。ビズシークの頃から今のBoostコンサルティングに至るまで、エンジニアに対する私のこのスタンスと役割分担は変わっていません。

Boostコンサルティングではどんなエンジニアと働きたいですか?入社を考えている方にメッセージをお願いします。

「新しい技術を触るのが好きで、かつ、それが世の中でどう使われるかというところまで一緒に面白がれる人」ですね。

今まさに生成AIの進化によって、エンジニアにとってめちゃくちゃ面白い、いろいろな挑戦ができる「最高の遊び場」が広がっているタイミングだと思います。我々には、投資先・買収先の企業や、取引先の大企業が持っているリアルなデータや事業課題という、その技術を試すための最高のフィールドがあります。エンジニアの皆さんには、そこで存分に腕を振るってほしいです。

ただ一つお願いしたいのは、特定の技術や自分の作ったモノにこだわりすぎない柔軟性を持ってほしいということです。例えば、プロダクトを作って現場に持っていったとき、「これ、ちょっと使いにくいな」と気づいたら、ためらわずにパッと別のやり方を試せるか。そういう試行錯誤のプロセスを、チームでワイワイ楽しめる人と一緒に働きたいですね。